
終了
有識者インタビューVol.5 × だがしカフェ夢はうす 大西様
2025.12.14
子どもが安心して頼れる場所をつくりたい ―だがしカフェ夢はうす―
さいたま市南区を拠点に、子どもたちと地域をつなぐ居場所づくりに取り組む「だがしカフェ夢はうす」代表・大西さんに、活動への思いやこれからのビジョンについて教えてもらいました
——活動を始められたきっかけや、背景にある思いを教えてください2年前、狭山市で知人が運営する子ども食堂でボランティアをしたことがすべての始まりでした。そこで目にしたのは、経済的に厳しい家庭の多さと、子どもたちが抱える“生活格差”の現実でした。 その経験を通して「子ども食堂はどの地域にも必要な場所だ」と感じ、さいたま市南区でも同じように安心して来られる居場所をつくりたいと思うようになりました。
子ども食堂という言葉には、「貧しい家庭の子どもが行くところ」というイメージがまだ根強くあります。それが、必要な子どもほど足を運びづらくする要因にもなっています。
本来の子ども食堂は、親の帰りを待つ空腹な子どもが“ご飯を食べられる場所”でした。そこで私たちは、「子育て支援を兼ねた子ども食堂」として、どの家庭の子どもも気軽に来られる雰囲気づくりを大切にしています。
——現在の活動内容や、特に大切にしていることは何でしょうか?だがしカフェ夢はうすでは、毎月第2金曜日と第4月曜日に活動を行っています。
活動内容は、お弁当の配布や、企業からの支援品を提供するパントリーなどさまざまです。お弁当は、私を含む5人のボランティアで作っています。
活動で特に大切にしているのは、子どもや保護者とのコミュニケーションです。「学校はどう?」「運動会はどうだった?」と、何気ない日常会話を丁寧に重ねることで、子どもの心に隠れたSOSを見逃さないよう心掛けています。
——やりがいを感じる瞬間や、印象に残っているエピソードはありますか?コロナ禍、在宅勤務が増えたことで、家の中のストレスが家庭に溜まりやすくなりました。母親の愚痴や子どもの悩みが増え、話し相手がいない状況も多く見られました。
核家族化が進む今、親以外に頼れる大人がいない家庭も多く、子どもたちが気軽に相談できる居場所が必要だと強く感じています。
だがしカフェ夢はうすでは、子どもたちに「嫌なことがあったら、いつでも来ていいよ」と伝えています。子ども一人で来ても大丈夫。帰りは危険がないよう必ず保護者に連絡しますが、ここは“安心して頼れる大人がいる場所”でありたいと思っています。
——今後の展望や、目指している未来のを教えてください現在、だがしカフェ夢はうすには「キッズボランティア」として小学6年生がお手伝いに参加してくれています。この子たちが大人になったとき、別の地域でも子ども食堂の活動に関わってくれたらうれしいですし、ほかの子どもたちにも、幼いころからボランティアに触れてほしいと思っています。
ここで受け取った“優しさ”の経験が、将来、誰かを助ける行動につながっていく。そんな優しさの連鎖が広がる未来を目指しています。また、子どもたちには「助けて」と言える事を今からでも頭の片隅に置いてほしい。困ったときに逃げ込める“第三の居場所”は、これからの社会に欠かせないと感じています。
――最後に、今子育てをしているパパ・ママにメッセージをお願いします無理をしすぎないでください。手抜きも息抜きも、子育てには必要なことです。一人で背負い込まず、つらいときは誰かに頼っていいんです。頼れる人がいなければ、子ども食堂を頼ってください。もちろん、うちに来てくれても大丈夫。
世の中にはどうしても合わない人や、しんどい環境もあります。そこで頑張りすぎてしまう親御さんも多い。でも、頑張れないときは「助けて」と言ってください。少し無責任に聞こえるかもしれませんが、「逃げてもなんとかなる」と思えているだけで、心がふっと軽くなることもあります。
だがしカフェ夢はうすのfacebookページ:
@emicafeurawa
むさうらまちむずび公式インスタグラム にて有識者インタビュー 公開中!そちらも 是非 覗いて見てね!
https://www.instagram.com/machimusubi_musaura/
Presentated by 埼玉大学 B-CAMP 参加メンバー 丸岡/須藤/山本
協力サポート:Be ACTO武蔵浦和 マチノバ
B-CAMP 主催:NPO法人ブランディングポート